着物を裏打ちで定着させる 方法その3



べつに着物を着たいわけではなく
(いや、正確にいうと着たいが)

以前、引き払う家からお宝をひきとった。
掛軸やら書道セットやら。中でも着物は二束三文にもならない品との事だったので、
※羽織でも100円だったり

私はすかさず「ちょいとまった!!」と大量にそれらを頂いておいた。





着物の帯も、こんなに美しいので
再度利用しない訳にはいきません!




トレーシングペーパーを使用して絵から貼る部分の型紙をつくり、
作成中の信長の着物部分にあててみる。




どーすか!!

気のせいか信長もドヤ顔。


まだアテで配置しただけだけど、構成どんどん良くなってきた
次は裏打(和紙を挟む)して、絵と着物のコントラストを調整しよう

たーのしーい!!
 

着物を裏打ちで定着させる 方法その4へ続く


第一回金箔にチャレンジしてみる
第二回金箔にチャレンジしてみる
 


『色と配色がわかる本』カラーでちょいモテ


色の本については、HONZ朝会で頻繁に話題になっていたが、またまた面白い本を発見した。

本書は一見、図説系資料本と思いきや、脳生理学による科学的根拠に基づき、色の原理を解き明かしている。特定の色を見た時、それから引き出される生理現象、刺激部位、分泌物、効果を解説している。なので、例えば30代を過ぎて魅力をもっと出したい人には、ファッションに活用していくのはどうか。

著者によると、人間は色を光で認識しており、正確には脳が電磁波で(RGBカラー)捉えてるそうだ。行動的になりたい時は、赤の光を眼に当てれば良い。「赤はアドレナリンの分泌を促し、人を情熱的にさせる」という定番フレーズは、赤色によりアドレナリンが分泌し、循環器系が刺激され、血流を促進されるからだ。よって効果として興奮や情熱の感情が引き出される、といった流れが理解できる。なお赤は誘引性が高い色だが、それ自体に危険を脳に知らせる力は無く、危険かどうかは自分で判断するらしい。

いかにもなタイトルと装丁なので、普通は素通りしかねない色モノ(?)かと思ったが、今迄は定番だったマンセル表色系の円環の矛盾を再検証指摘しており(ゲーテは赤紫を追加し、円環をやや強引につくりあげている)、論理に説得力がある。しかし文体自体は、そんなに固くないのがまた良い。

ちなみに白は健康になる色で、マスクや白衣によって傷を治す役割があったり、逆に黒服は病気を引き起こす事を知ったのもここ数年だ。思わず、スーツもコートもネクタイも靴も黒かい!という人を見ると、体調を気にかけてしまう。しかし服を着た場合と、インテリアとして考えた場合のケースでは色の効果は異なる。

配色の世界では、例えば青が好き、といっても青だけに反応はせず、多数の配色の中にある青が好きなのである。大事なのはカラーバリエーションだ。それは後半部分でわかり易く解説されている。青を選ぶ人は「感性豊か」「経営者向き」「自信過剰」などの性格があげられているが、面白いのはインテリアとして配色する場合は違う効果が生まれる。
※インテリアとしての青の効果は「下痢止め」!便秘がちな人は「黄色」。少し解消されるはず。

色を選んだ人の性格art_japan
(c)Fuzuki Arai

■色の効能についてはこちらを参照。

色は極めて身近な存在なので、根幹をなす基礎を一度身につけてしまえば、あらゆるケースに対応できる。インテリアを考える時、ポスターを創る時、コーディネイトを考える時、スマフォのアクセサリー選びにもバッチリだ。その時、色を感覚で捉えていると、選ぶ基準が曖昧で、決定までに時間がかかる。いつでも自分の頭の中に、効能付の色パレットがあれば部屋の模様替えをする時も迷わなくなる。色の名前をいくら覚えても、知恵として色彩を活用できなければもったいない。

たとえば夫婦の買物で、家具を購入する場合、一方は感覚で伝えるのに対し、一方は「ベージュの効能は安心できる色で…」ともっともな理論で言えれば、勝ったも同然だ。でないと相手の強い主張に負けてしまうのは、私だけではないはずだ。判断に迷ったり、疑問に感じたりすることがある“配色”を本書で理解しておけば、正しく選択する事ができる。面白いのは最近の風水で、「紫」や「ピンク」をとり入れているのは陰陽五行説の対象外となるそうだ。究極的には美しい景色も、配色の使い方と面積バランスによる。人が見て美人だな、とかイケメンだ、思うのも極論は配色だ。

学生時代、私はデザインの時間よくドイツ人の教授に怒られていた。私が感覚で色を配置しているのに対し、何故その色を使用するのか、意図が無かったのでよく怒られた。彼はゲルマン理系ドイツ人の代表みたいな方で、デザインの世界で意図しない配色はありえないとの事だった。それ以来、色彩については今でも興味を持って学べているので感謝している。しかし、どうもパワーポイントの資料で、無駄に色数が多いのは苦手だ。

色彩検定が役に立ったという声を何人からも聞く。生活に彩りを加える楽しみが増えるからだ。本書も、同程度に役立つのではないかと個人的に思っている。暖かい色は気持ちが安らぐ効果があるか?などの問題が色彩検定には出題されているが、本書では、なぜ安らぐのか?について検証している。これを本書では色彩心理ではなく、色彩生理と呼んでいるが、それは眼ではなく脳で見ているからだ。森林浴を例にあげれば、緑を見ると疲れが癒される。「緑は人のストレスを解消させるホルモンの分泌を促す」など、最先端の色彩学では、科学的根拠に基づいた研究が進んでいる。これらを学べば、きっとこれからの生活に大きな武器になること間違いない。

カラーで¥1,600の入門編だが、部屋の模様替えや、オーディオ選び、今日着ていく服など判断が楽しくなるので、ぜひ購入して色の世界を知ってほしい。食事の前に5分〜10分見るだけで満腹感を抑えれるダイエット効果のある色も、現在試してみようか検討中。また心理/信用のカテゴリでは「好きな人に告白したい」なんて日常のシーンで使えるエッセンスも満載なので、ちょっと占いとかラッキーカラー的な領域になるかもしれないが、実践した方は効果のほどを教えてください。


===【こちらもオススメ】===

ここからHONZ「色」系ラインナップ。「人はピンクで若返り。白い部屋が美人をつくる」色彩生理についての効能が多く書かれている。トリビアが多いので、感動しっぱなしだった一冊。安いし、小さく持ち運び易いのでグッド。
色の秘密―最新色彩学入門 (文春文庫PLUS)

色の秘密―最新色彩学入門 (文春文庫PLUS)

  • 作者: 野村 順一、undefined、野村 順一のAmazon著者ページを見る、検索結果、著者セントラルはこちら
  • 出版社: 文藝春秋 (2005/07)
  • 発売日: 2005/07

「ウグイスてどんな鳥だっけ」の鶯色や、ローズレッドとワインレッドの違いも一発でわかる。写真がとにかく美麗なので、眺めているだけでも価値ある本。
日本の色・世界の色

日本の色・世界の色

  • 作者: 永田 泰弘
  • 出版社: ナツメ社
  • 発売日: 2010/2/19

HONZ土屋敦が今月読む本で紹介していた。日本という国は、こんなにも色彩豊かな国だったのか、と思える本。染織史家が全国を各地をめぐり、古代から伝わる「紫草染の技法」などを紹介した紀行エッセイ集。
色紀行―日本の美しい風景

色紀行―日本の美しい風景

  • 作者: 吉岡 幸雄、岡田 克敏
  • 出版社: 清流出版 (2011/12)
  • 発売日: 2011/12

もしかしたら配色の最終進化系かもしれない。標識などに代表される、世界中にちらばるピクトさん(ピクトグラム)を集めた決定版。頭を打ったり、落下したり、感電したり、と身体を貼ったピクトさん達を紹介する、すこぶる愉快な本。
ピクトさんの本

ピクトさんの本

  • 作者: 内海 慶一、undefined、内海 慶一のAmazon著者ページを見る、検索結果、著者セントラルはこちら
  • 出版社: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2007/4/20

純粋なる夜『クートラスの思い出』

ロベール・クートラス(1930〜1985)という画家は生前、現代のユトリロと評されていた。フランス存命中にも熱心なファンがいたものの、美術界で光があたる評価はあまりされなかった。しかしその作品達が没後四半世紀を経て、現在故郷パリから遠く離れた日本で注目をあびている。

舞台はフランスなので、物語にはパリの町並み、アルザス、ブルターニュのカテドラルなどが背景である。クートラスは貧しい家庭に生まれ、少年期はフランス国内を転々としていた。石工を経て、夢だった絵描きになるが、契約した画商と衝突し再び無一文生活を送るようになる。創作の裏ではいつも空腹を抱え、挫折に満ちた悲しい生活を送った反面、数々の恋愛による充実感に満ちた生活も送っていた。

クートラスはわずか6×12cmの小さなサイズの靴の函やダンボール、ポスターの裏をキャンバスとし、幻想的な絵を描き続けた。それをカルト(carte)と呼び、フランス語ではcarte、英語でcard(カード)になる。ちなみに日本のカルタはポルトガル語の「carta(カルタ)」に由来するそうだ。

表紙の帯を外してみると、カルトが並ぶ装丁となっている。これらは6枚組、12枚組、15枚組と内面的に必然性のある絵画として組み合わされ、リシュリー通りの画廊に展示されていたそうだ。カルトは靴箱や広告など、身近にある厚めのボール紙に油絵の具で下地が塗られただけの画布だったりもするが、何度も塗り直し、引っ掻き、ぼかし、擦られ、何層もレイヤーができ重厚感が漂うものもある。その絵柄は人の顔をした昆虫や鳥、植物や本人の「COUTELAS」の文字などが画面を覆う。

カルトは毎晩描き続けられた。それらは「僕の夜“Mes Nuits”」と名づけられ、その数は6,000枚を超えた。

著者の岸真理子・モリアはクートラスの最晩年に同居し、彼の遺言でカルトを引き継いだ相続人である。本書では、今まで詳しく知られる事のなかった彼の生涯を綴っている。

彼女は言う「クートラスの優しい言葉や声は、彼が亡くなってからもずっと耳に残り、書きとめていた。人に見せる勇気もなかったけど、彼を直接知る人物はもう私だけだからと周囲に書くよう勧められました」
 honznas_carte_art_japan 
(c)Fuzuki Arai 

クートラスは心やさしい子どもだった。母親から一緒に食べるお菓子を2つ買ってきなさいとお小遣いをもらうと、ひとつだけ買って、残りは日曜日に一輪の薔薇を贈るために貯めておいた。また生活を犠牲にしてでも表現の自由に魂を捧げた、孤高の画家であった。パンが食べれない日が続いても、絵を書き続ける事は貫いた。好きな女性に対してはわずかなお金で花をプレゼントし、買うお金が無い時は工事現場の脇に咲く花をつみ、花束にしてプレゼントする人間だった。

だが、そんなクートラスの母はひっきりなしに男を変えていた。再婚した新しい父親はとても厳しく、おかげで学校の成績はいつも一番だったという。だが父親が面倒をみなくなると、とたんに成績はビリになった。学校のテストでは真っ白な紙は無限の可能性を秘め美しく感じたので、彼はそのまま試験で名前を書かず答案用紙だけを返した。先生に怒られたが、本当は紙を汚したくないからだった。

クートラスは直接手に触れる石や彫刻など作品の中から、苦痛や悲しみ、また希望や喜びを吸収していった。石工時代、彼はオーベルニュ地方で馴染んだロマネスク教会やブロワのルネッサンスと美術史と精神史を身体中で吸い上げていった。だが、いつも親方からは「もっと早く!」と言われ続けていた。この言葉ほどクートラスが嫌いな言葉はなかった。画家として独立した際に契約した画廊も言う事は同じだった。「もっと早く描け!」

彼は心で物を見たので、絵を商売の道具としか見れていない画廊が多かったのも嫌気がさしていたのだ。無一文で放浪している間、クートラスの母は他界した。晩年、彼は著者に言った。「ママンに手紙を書くんだよ。一言だけでいいんだ。愛しているって伝えるんだよ」と故郷を離れて暮らしている彼女に、何度も言ったそうだ。

私は、夜に描かれたというタロットカードのようなカルトを眺めていると、人間に対する希望や絶望、闇から光といった、人の良い所も悪い所も味わったクートラスの感情をひっそりと汲み取れる。内面の魂で物事を見て旅をすると、出会う風景や、その土地の魂と呼応するように、自分の中にある「純粋さ」が呼び起こされた気がしてくる。彼は無神論者だったそうだが、カルトからはどこか祈りに似た思いが伝わってくる。

本書は画家との出会いと死別を回顧しているが、同時に流浪の貧乏暮らしに身をおいた画家のピュアな切ない物語でもある。時間がごくゆっくり流れる静かな夜にオススメの一冊。
 

----------【こちらもオススメ】---------- クートラス本人が「Réserve du patron」(必ず手元に)と著者に言い遺したカルト作品集。2010年、彼の作品は1点で約12万程で販売していたが、現在は品切れ。作品に興味を持った方にはこちらを推薦。
ロベール・クートラス作品集『僕の夜 Mes Nuits』

ロベール・クートラス作品集『僕の夜 Mes Nuits』

  • 作者:
  • 出版社: エクリ
  • 発売日: 2010/10/12
南アフリカで見た根付コレクションは今でも鮮明に焼き付いている。英国人の陶芸家である著者は、東京に暮らす大叔父から根付のコレクションを相続し、来歴について調べ始める。その中で一族の没落とナチスによるユダヤ人迫害の悲劇を知る。2010年イギリスにて大ベストセラーとなった一冊。
琥珀の眼の兎

琥珀の眼の兎

  • 作者: エドマンド・ドゥ・ヴァール、佐々田雅子(翻訳)
  • 出版社: 早川書房
  • 発売日: 2011/11/10


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