ハワイ紀行 その2 シャーク軍曹


先日ハワイ島で2週間過ごし、すっかり癒されてました。一番印象に残ったのはダイビングです。

私は群馬で生まれ育ったため、海とか船を見ると興奮してしまいます。特にスキューバダイビングは今まで経験したことがなく、色鮮やかな魚達やイルカとか色とりどりのサンゴ礁に夢見ていました。マンタなんかも見れるのかなあ、なんて乙女ちっくに想像してたわけです。


→こんなのをイメージ

そのあたためていた夢を、ハワイ島で有名なワイコロアビーチで叶うことなりました!
いえーい!!初ダイビング!

予約した次の日。

表れたのは、

インストラクター


この方。





怖いよ!

身長185cm位。
全身タトゥー。

サングラスを外すとつり上がった眉とタレた眼。
一瞬で背筋伸びました。
こちろんマフィアとかゴロツキではなく、スキューバダイビングのインストラクターです。


本人アップ。帽子に注目。


私のしょうもない妄想で、初ダイビングのインストラクターは日本人の可愛らしい女性で会話も「アハハハ」なんつって、そんな淡い期待を込めてましたが、彼と出会った瞬間、そのイメージはブラックホールにのみ込まれました。威圧感でいうと完全に二等兵と軍曹ほどの開きがあったと思います。

彼は私を見るなり、言いました。
「SIT DOWN」
え?シットダウンって?ハイ、テーブルに座りました。お腹がすいてるせいか、彼は朝飯をモグモグ食べてます。

そしてあくまで自分のペースで、目をそらさず、海の危険性を説明しはじめます。彼は肉を食べていました。

ダイビング体験者は私しかおらず、マンツーマンでダイブの説明がすべて英語。水着のおネエちゃんの煩悩は光の速さで捨て、話に集中しました。stay focus, stay focus..

質問としては、
オマエは泳げるのか?
ダイビングの経験はあるのか?
文字は読めるのか?


などです。他にも以前病気していたか?と健康に関する普通の質問なのですが、どうも彼の眼を見ると、「山口組」というキーワードが頭をよぎります。


最初にプールで教育があり、フィンを履き泳ぎました。もとい泳がされました。私は言われるがままフルパワーで泳ぎました。少しでもヘマするとため息のつぎに鋭い眼光がつき刺さります。マンツーマンのレクチャーは軍隊さながら。何でこんなに緊張するんだ!?

ボンベを装備し、チューブが外れた場合の対処などの説明を経てレクチャーが一通り終了しました。

あとは自由に泳いでいていいぞ。

彼は言ってくれましたが、私は夏なのに少し寒気がして疲労感でいっぱいのため「NO」とホテルの部屋に戻りました。午前中だけなのに、どっと疲れがでてます。ただ、この人なら明日の本番でもし溺れても救ってくれそうだなと感じながら眠りにつきました。



翌日、早朝ボートでダイビングスポットに出かけます。朝早いほうが海は綺麗なのだそうです。





ボート出発。参加者は皆経験豊かな外国人ダイバー達。左の人は別のインストラクター。どうでもいいけど怖いよ!どこに連れていくんだ。コアな話を皆がしている中、ちっこいアジア人である私は「どうすれば安全に帰還できるか」のみ考えておりましたstay focus, stay focus..ぶつぶつ。

ボンベを装備しフィンを履くと、軍曹は危険だから海の生き物に絶対触るな。と仰いました。そして私を後ろから
ドーン!!
とつき落とし、ボートから海にドボンと入水!!え?後ろから海に入るんじゃなんだ軍曹!?初ダイブ達成。



↑ここから落とされた。

私はダイビング特有の少し潜るたびに耳の圧を抜くのが上手くいかず、耳が痛くなり同時に強烈な閉鎖感を感じて海が怖くなりました。軍曹にダメです上にあがりますとサインで伝えます。

再び鼻をつまみ、耳の圧を抜くのを何度もトライしましたが、やはり耳が痛くもうダメかも、帰ろうかなダイビング楽しくないと決めた瞬間、いきなり手を使わずに鼻だけで圧が抜けるコツをつかみました。


その後、無事に潜ることに成功。おお確かに綺麗な景色!!

泳ぎですが、軍曹は腕を組んだままフィンだけで進みます。なぜか余り動かさないのに自在に進んでいくように見えます。肺で微妙な高低の調整しているのかな?

と、岩場をじっとみつめていた彼が、突然ゴソゴソしだしました。
大きな岩をもちあげると、暴れるタコを手づかみで捉えております!!


↑つかまえたタコ  絵:新井文月
 

おおお!ワイルドっす!しかし、タコは暴れて墨を吐いてます。あきらかに怒っているようです。軍曹は怒ったタコを私に押し付けてきました。なんで!?すると足がどんどん私の腕と身体に絡みついてきます。

ぎゃーー!やめてよ軍曹!!わっ吸盤くっついた!!

予備知識のない私は、驚いて酸素をボゴォっと吐き出してしまいました。落ち着くんだオレ、stay focus!! stay focus!! stay focus!!


さらに軍曹は岩場の狭いトンネルを潜ってこい、など指示を出してきました。パシリ?いやトレーニングのようです。狭い岩場のため、はじめての私はサンゴに足をぶつけ膝から軽く出血しました。


とその時、魚の大群が私達をよぎります。軍曹はその奥にある小さな洞窟にそうっと進み、こっちに来てみろ、とサインしてきました。

おそるおそる岩場をのぞくと。。

サメ4匹。

ちょま!聞いてないよー!!軍曹やめてよマジで!
ボゴボゴ!!(空気抜ける音)






どうやらホワイトシャークという種類で大人しいらしいのですが、こっち予備知識ないんだから、全然知らないから大パニックですよー。ホント心臓に悪い。


そのあと彼は、海底散策で楕円の形したサンゴをみつけてフリスビーのようにこちらに投げてきたり。意外とおちゃめな面をみせていました。

ということで最後まで波乱に満ちたダイビングでした。軍曹がいうには、私がコツを掴んでから上達が早かったのでレベルを上げたらしい。

ありがとう。軍曹。けど、

ダイビング
もうやんないと思う。


↑疲れて笑顔になれない

ハワイ紀行 その1


ハワイ島で2週間すごしてました。全米一位に輝いたビーチのあるワイコロアで過ごし、キラウェア火山にも車で行きました。息子は海やプールで大はしゃぎ。現地で4歳の誕生日を迎え甘いものをバカバカ食べてました。
とりあえず太陽が素晴らしすぎて終始ウルウル。夕日なり朝日なり、カメラで太陽ばかり撮影してました。

玄関開けたら2分でオーシャン


私は人生で初ダイビングに挑戦。
通称シャーク軍曹。この人はマフィアとかゴロツキではなく、スキューバダイビングのインストラクターです。とりあえずこの人だけで話のネタがつきないので、後日詳細書いてみようかと思います。




肝心な作品のほうは、ラバチューブなど各場所でオーブにも出会い、ハワイでのインスピレーションも生まれ、よい絵が描けました。いやあ行って良かった!!奥さん息子達ありがとう〜!!

アート活動記 ~ニューヨーク展~



「貴殿より申請のありました当広報センターギャラリーの使用につきましては、本件が日米文化交流及び友好親善の観点から有意義な事業と認められるため、これを許可することになりましたので、お知らせいたします」
在ニューヨーク日本国総領事館

まさか本当に通るとは思いませんでした。今回、読書を通じてNYで展示を開催したケースを書きます。私は小さい頃から絵を描いてきました。自分の中で、アートで世界に挑戦することは漠然と目標になっていましたが、本当に自分の企画がNYの総領事館に通るとは驚きでした。HONZがスタートして3年間、主にクリエイティブに関する本を紹介してきましたが、実は、私これまで本を読まない人間でした。それがレビューするほど本を読むようになったのは、当然ながらそこに必然性があります。
 
今年、ニューヨークで個展を開くことができました。
(FLOWER PROJECT:2014年6月、在ニューヨーク日本国総領事館にて一ヶ月開催)
展示のタイトルになっているフラワープロジェクトというグループでは、アートの力で付加価値を創るお手伝いをしています。東日本大震災での被災者の多くは、家を失い今も仮設住宅に住んでいます。私は似顔絵を描くボランティアをきっかけにスタートし、2012年では宮城県石巻市糠塚前団地の仮設住宅の壁70mに龍の絵をボランティアと住民の方達100名と一緒に描くなど活動を続けてきました。仮設の自治会長からは「龍の勢いのように早く復興して、自分たちも前に進みたい。絵を見ることで前を向く力になればと思う」とコメントをいただきましたが、ニューヨーク展ではその制作風景を展示しています。



読書の必要性ですが、私の場合、単調だった作品の深みを出そうと多読を始めました。ですが結局一番役に立ったのはコミュニケーションでした。たとえば作品を購入したいお客さまと商談するときですが、アートを買おうという人はお金持ちだし知識人なのです。イスラム圏の外交官の人とも話をしてみましたが、経済から美術までどの分野にも造詣が深い。そして欧米でのアートは、作品コンセプトが重要です。僕の『LOVE』という作品は「愛」という文字を布の上に描いて表現していますが、外国人を相手にするときは「なぜ愛という漢字を書くのか」「なぜ書道なのか」、「なぜ複数の色なのか」を説明しなくては納得してもらえません。

村上隆さんの著書『芸術闘争論』では、こうした現実に対しての方法論が書かれています。アーティストがどう理論武装してその世界で生きていくか。僕はこの本から多く教わりました。この本は、HONZに応募して勉強会に入るきっかけとなった1冊ですが、ここから先人に学ぶ大切さに気づき(開拓者は偉大)、沢山の本を読むようになりました。たしか小学校の美術の時間、先生がよく「感じたままに描きなさい」と言っていたのを覚えています。私にとってはそれが嬉しかったけど、ともするとその授業のせいで、感覚的日本人が増えたのではないでしょうか。自分の意見を纏めてクリアに主張するためにも読書は有効かと思います。



さて、後からニューヨークの展示には莫大な費用がかかることに気づきました。そのためクラウドファウンディングサイト「READYFOR?」で展示資金を募ることになります。結果は目標額104万円のうち、期日最終日でちょうど達成することができました。このプロジェクトでは、支援してくれた人に対して私が似顔絵などのアートを制作することで、人とのつながりに価値を見出すことを試みましたが、結果気づいたのは、単純に皆が優しいだけでした。本当に有難うございます。この場を借りて御礼申し上げます。

資金を達成した翌日、すぐJFK空港へ出発し、フラワープロジェクトメンバーから3名も同行してくれました(自費)。彼等には、もはや足を向けて眠れません。そしてクイーンズのアートショップで材料を調達、展示前日は深夜三時まで皆でゾンビのようになりながら作業し、そのまま寝ずに出発。搬出当日に全員で『LOVE』の作品を描き搬入完了。無事ニューヨーク展は開催され、会場には世界各国の人達が観にきてくれました。



おかげさまでNY展は大成功に幕を閉じました。現地新聞4誌に掲載され、展示に来てくれた方からも熱いメッセージが届きました。私は成功論を信じませんが、今回やっていて良かったと言えるのは、バリエーション豊富に、とにかく数を打ったことです。震災をきっかけにボランティアを始めたこと、日本で断られても、海外を視野に入れて企画を持ち込んだこと、作品の画風とコンテクストが様々なパターンを展開して挑戦したことは、絵の才能以上に重要だと思います。



日本では、声を大にすれば活動が広まる傾向にあるようです。でもニューヨークでは声を大きくしても聞いてくれません。そのかわり内容が重要です。嬉しいことに現地の人からは「とても興味深い活動だ」、「仮設住宅の人達も、こんなに巨大な龍がいれば精神的な支えになる」など意見をいただきました。驚くのは、ほぼ全ての人が日本の2011年の東日本大震災を覚えていることです。同時に、その後を知らない状況でした。なにより「アートで困難な場所を魅力的にするなんて、とてもエキサイティングな活動だね」と言われることは、最高に嬉しい言葉でした。展示会には偶然、宮城出身の青年が訪れていましたが、彼は涙を流していました。LAからシカゴまで自転車で一人横断してきた途中らしく、感傷的になっていたのかもしれません。 

こんな調子で、今でこそ本のおかげで自分の考えをハッキリ言うことができますが、読書で感動した体験は直接、行動に結びつけました。本は私にとってカンフル剤になってくれたようです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2014.9.23「フラワープロジェクト東京展」開催します。
セミナーにご興味ある方はD-laboページよりお申込みください(残り50名)
皆様のご参加をおまちしております!
http://www.d-laboweb.jp/event/140923.html


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