【エッセイ】絵を描く理由03 全身全霊

(c)Fuzuki Arai

 

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最近は、どうやって絵のインスピレーションが生まれるの?

と海外の人を含めて、よく聞かれる。

 

経験上、脳で考えて構成を練ると良い作品が生まれない。

 

皆と同じく散歩や風呂、トイレなどリラックスしている時に、いいアイデアが突然浮かんだりする。その時は画像が目の前にビジョンとしてあらわれる。ただ残念ながらそれは1時間もすれば消えうせてしまうので、真夜中に浮かんだときは、「寝ると確実に忘れる」私の特性もよく知っているので、深夜に2次元化する作業をする時もある。実際、私はふだん超ユルい人間だし、適当にボーっとして省エネしていることが多いので、その時くらいは集中する。

 

同様に、描いているときは、どんな気分なのかという質問もよく受ける。

 

集中している間は、とりわけ悦に入ってウットリしているわけでもなく、子供の頃からなので不思議とも思わないが、筆を持つと、穂先と紙、机、自分がいる部屋とその中の空気まで一心同体のような感覚に陥る。時間は感じない。

 

ちなみに高校時代、私は弓道部だったが(二段を所持)、弓矢の動作ひとつひとつに集中した結果、矢が的に当たっていた、その感覚に非常によく似ている。昔の人は、全身全霊という言葉を使用したが、色々と本でこの体験に近い表現を探してみたけれども、1番この言葉がしっくりくる。あるいは日本の書道も近い感覚だと思う。

 

慣れると、この感覚は料理にも応用できることを大人になってから知った。


[Autobiography] Why draw pictures - anime

 (c)Fuzuki Arai

 

I started painting when I was 3 years old, I liked drawing anime illustrations.

 

When I went to an elementary school I drew pictures on the paper and my friend said when they saw them :

"Wow, your paintings are nice. Could you draw something for me?"

"Ok, sure", I said.
He was pleased by the picture.

 

Other friends asked me to draw something for them as well, almost every pupil in my class wanted me to draw something for them.

"You are very talented" They said, but I was a very shy boy.
"Can you stop saying these things?"
One of my friends who was very tall and fat said:

"You're not talented" I got disappointed and cried.

Next day I felt lonely.


【エッセイ】絵を描く理由02 パーマンとガンダム

 (c)Fuzuki Arai

 

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子供の頃からそんな調子だったので、私はチラシの裏にいろいろな絵を真似しては描いていた。

 

特に放映していたアニメをよく描いた。ドラえもん。ドラゴンボール。ガンダム。

 

ひととおりアニメの線を写していると、何かしら訓練みたいになり、そのうち大まかに形をとらえれるようになった。もう少し成長すると、神社で龍とか鷹を見て「これは格好良い」と思うようになり、小学高学年では興味はそちらにうつる。

 

幼稚園時代、私のなかで勝手に流行っていたのは、機動戦士ガンダムの「ラストシューティング※」のポーズだった。※「機動戦士ガンダム」最終話。ガンダムが両脚で地面を踏みしめ、右手のライフルを真上へ突き出すポーズ

 

なぜそのシーンかというと、当時の技量ではガンダムの顔が描けなかったのである。何も見ずともガンダムを描くには、顔がないラストシューティングがちょうどいい、と思っていた。

 

そんなこんなで、幼稚園の自由時間でも友達と遊ばず画用紙にひとり絵を描いていると、クラスの男の子が覗いてきて「ふーちゃん、うまいな!パーマン描いてよ!!」と言ってきた。

 

パーマンのというのは当時はやっていたアニメで(説明省略)、もちろんガンダムに比べたら労力はいらなかった。私はいいよ、とパーマンを描いてその男の子にあげた。

 

すると、それを見ていた友達から次から次へと依頼がきた。自由時間ぜんぶを使い、そのまま同じように、ほとんどクラス全員に描いた記憶がある。

 

みんなから絵が喜ばれ、さらに「うまいね!うまい!」と言われた。私は褒められるのに慣れていなかったし、同時に3人以上から話しかけられたことで私は困惑し、目線は教室の床ばかりをオロオロ見ていた。

 

そして、おもわず私はちいさな声で「あんまり上手いって言わないで」と、友達の前で言ってしまった。

 

すると、それを聞きつけたひときわ身体の大きい男の子が、私に言ってきた。

「じゃあヘタっていえばいいのか!!」

「ヘタ、ヘタ、下手クソ!!」

 

あまりにも近くで叫ばれたので、耳の奥が痛くなってしまった。

 

次の日から、私は一層、孤独が好きになった。

 



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