【エッセイ】絵を描く理由01

 (c)Fuzuki Arai

 

最近、自分の作品がそれなりに理念というか「スタイル」みたいなものが生まれはじめ、取り組むべき課題も見えてきた。

 

このタイミングはちょうど節目だと感じ、自伝といったら大げさだが、今後の作品のため過去の体験を文章にすることにした。

 

私は物心つく前、3歳ころから絵を描いてきた。家族に美術関連の人もいないし、家庭が裕福だったわけでもない。群馬の、いわゆる田舎で生まれた。地元の名産といえば、キュウリとしいたけ。それ以外は何もないところだった。ちなみにキュウリは、毎日食卓にでるから嫌いになった。

 

遊べるオモチャもなかったので、広告の裏に鉛筆で絵を描いていた。画用紙も買わなくてよいし、折込チラシはタダだからだ。

 

私は身長も低くて、内気な子供だった。そして小学生に入るころ、事故で足を怪我し右足の骨を紛失してしまった。それ以降、足全体を石膏で覆い松葉杖をつきながら生活していた。

 

いよいよ家にいても、やることは絵を描くくらいで、一人遊びがエスカレートした。同級生が自転車で、山や川に遊びにいく中、毎日アタマの中で妄想して絵を描いていた。

 

楽しいかどうかといったら疑問だけれども、続いたということは楽しかったのかもしれない。けど、それしか出来なかったというのが近い感覚だった。勉強も運動もできるわけでもない子供は、元気ハツラツで話しかけてくる他の子供達と話すのが難しく、そのうち誰かと絡むのが面倒になっていった。そこでチラシの裏に逃げ場を作った。逃げ場といえば、よく神社にもひとりでいった。静かな場所だったから避難していたのだ。

 


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