【オススメ本】『かぜの科学―もっとも身近な病の生態』ジェニファー アッカーマン (早川書房)

 

手洗いで風邪は防げる

成毛眞さん主宰による本のキュレーター勉強会で、装丁がいかに重要かが証明された。本書は可愛らしい印象のカバーだが、とにかく色使いがポップで良い。最近は色々な商品を見る度にデザインの進化を感じる。この記事は2011年でのものだが、あと5年もすればデザインの重要性はより高くなるだろう。逆に最先端と思っていたデザインも古さを感じてしまうので注意が必要だ。

ちなみに東日本大震災にて建てられた仮設住宅の壁を龍の絵で彩るプロジェクトをスタートしているが、避難所ではまだ寒い場所もあり風邪をひきやすいだろう。

本書を読めば風邪に対して正しい知識を得る事ができる。また実際にかかってしまった場合でも冷静に対処できるようになる。毎年おこりうる身近な問題だけに興味深い。著者はナショナル・ジオグラフィックなどに寄稿するサイエンスライターだ。

ズバリ結論を先に言うと、風邪は手洗いで防げる。しかも石鹸の手洗いが最も効果的である。風邪の原因は約200種類のウィルスであり、風邪をひきたくないのであれば、病原菌を避ければよい。さらに顔を触らないことが最上の予防策となる。著者によると人はPCでの作業中、5分に1回〜3回のペースで無意識に顔を触っている。ほとんどの風邪/インフルエンザは、手の病原菌が鼻に移動するところから始まる。

 

極端な理論だが、もし欧米の握手の習慣を日本式のお辞儀に変えることができれば、かなりの感染予防が期待できるだろう。

残念なことに、これまで多数の人が信じていた「寒い格好をする」「ビタミンC不足」「乾燥した部屋」などは、すべて直接の原因にはならない。風邪の諸症状はウィルスが引き起こすのではなく、ウイルスを排除しようとする人間の免疫反応なのだ。そしてウイルスであり細菌ではないため、細菌をターゲットとした抗生物質や抗菌石鹸は全く効果がない。もちろん風邪ウイルスへの免疫反応は、くしゃみ・鼻水・発熱など人により症状が異なる。薬は他の副作用(眠気・倦怠感・下痢からスティーブンス・ジョンソン症候群まで)を引き起こすので飲まないほうが良い。症状は本来の治癒力により平均7日間で回復する。

※ウイルス自体は細胞膜がなく人の細胞に寄生する
※細菌には増殖を抑制する抗菌薬が有効。抗生物質と合成抗菌薬がある

また手洗いについてもう少し。アルコール手指消毒液も良いが、手の表面にまんべんなく擦り込むのは難しいため(細菌には効力あり)、可能であればウイルスをより除去できる(洗いながせる)石鹸がベストなのだ。つまり小学生の時に、半ば強制的にやらされた手洗いの徹底は正しかったのだ。

しかし感染を警戒するあまり「ドアノブなどにも触らない!!」などと神経質になってはいけない。本書は治ると思えばよくなるプラシーボ効果に関しても実証しており、その逆もあるからだ。活動的な人間もまた風邪をひきずらいというデータも本書にはあるので興味深い一冊。

 

 


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